ジョンラ
日本人にとって、
時に英語の理解を助け、
時に英語の理解を阻害する存在。
英単語を知るより前にカタカナ語を知ってしまったが故に、カタカナ語が持つ意味や発音に縛られてしまうことは少なくない。
「ここが違う!英語とカタカナ語の発音」
的な話題は出し尽くされていると思うが、
日本で出国前の準備として英会話教室を受けていた時にまさしくそれだな、と思ったのが
「genre」だ。
日本語でジャンル。語源はフランス語。
英語の発音記号通りに読むと「ジャンラ」に近いし、その時の英会話教室の先生の発音は「ジョンラ」だった。
先生と映画の話をしていて「どんなジョンラが好きなの?」と英語で聞かれて、全く脳内変換できなかった。
近いようでとんでもない差だぞ。
30年弱の人生の中で、何度かカタカナ語がどのように制定されたのかについて想いを巡らせた。
当時の日本人がアルファベット通りに無理やり読んでしまったのだろうか?とか
当時の日本人の耳が、ネイティブの外国人の言う発音をそうやって聞き取ってしまったのだろうか?とか
いずれにせよ、後世まで響く重大な決断を、なかなかにローカライズして決めてしまったものだなぁと思う。
アルファベット「genre」を日本人読みしてもジャンルにはならないだろうから、きっと直接聞き取って一番近いカタカナを当てはめたんだろうなぁ。
ていうかジョンラって。
「ジョンラ」とカタカナで言う時の独特の脱力感というか、間抜けさはなかなかのものがある。
好きな音楽のジョンラはロックです。
好きな映画のジョンラはラブコメディです。
これから英語圏の人達と会話するにあたって、きっと僕は発音に気をつけながら「genre」を「ジョンラ」と読むんだろうけど
きっと読むたびにどこかでその語感の間抜けさを感じてしまうだろう。
やめさせてもらうわ。